ボディワークのレッスンでは、最初に姿勢を確認しています。
立った状態で正面と横からそして、うつ伏せになって脚の長さを確認。
必要に応じて、座った状態で横から姿勢を見たりすることもあります。
その日のレッスンでも、最初の姿勢チェックでは、特に気になるところはありませんでした。
ところが、仰向けになって「万歳」をしてもらったとき、少し気になる変化が見えました。
両手を上げていくと、少しずつ身体が右へ
仰向けになり、両手を身体の横に置いてもらいます。
この状態では、身体はまっすぐ。
そこから、両腕をゆっくりと上げていきます。
すると、腕が上がるにつれて、身体が少しずつ右へカーブしていきました。
完全に万歳をした状態では、身体全体が右へカーブしています。
もう一度、両手を身体の横に戻してもらうと、やはり身体はまっすぐ。
つまり、じっとしている姿勢では分からなかった身体の偏りが、「腕を上げる」という動きを加えたことで見えてきたのです。
これは、身体を見るうえでとても興味深い変化でした。
なぜ、万歳すると身体が歪むのか
もちろん、この時点で原因を一つに決めることはできません。
ただ、身体の動きを見ながら考えると、背中の筋肉や肩甲骨周りの硬さ、左右の動きの違いなどが関係している可能性が考えられました。
腕を下ろしているときには、それほど問題にならない左右差。
でも、腕を上げると、肩だけではなく肩甲骨や背中も一緒に動きます。
そのとき、左右で動きやすさに違いがあれば、身体はどこかでバランスを取ろうとします。
今回の場合は、それが身体全体の右へのカーブとして現れていたのかもしれません。
そして、もう一つ気になったこと
今回、もう一つ気づいたことがありました。
身体が歪んでいる方向、つまり短くなっている側の脚に、股関節や膝、足首などのトラブルがある方がいることです。
もちろん、これだけで
「背中の筋肉が脚のトラブルの原因です」
とは言えません。
身体は、そんなに単純なものではないからです。
ただ、脚に問題が起きているときに、脚だけを見ていては分からないことがあります。
骨盤や背中、肩甲骨周りの動きなど、少し離れたところを見ることで、身体の使い方の特徴が見えてくることもあります。
背中と肩甲骨周りを整えて、もう一度「万歳」
そこで、この日のレッスンでは、背中や肩甲骨周りの動きを丁寧に整えていきました。
そして、もう一度、仰向けで万歳をしてもらいます。
すると、先ほどまで出ていた身体の右カーブが、明らかに小さくなりました。
さらに、立った状態で確認すると、脚に感じていた違和感も少なくなっていました。
身体の一部分だけを見ていると分からなかったことが、動きを通して見えてきた。
そして、その動きに関係していると思われる部分を整えることで、別の場所にも変化が見られた。
身体は、本当に面白いものです。
「脚がつらいから、脚だけ」ではない
脚に痛みや違和感があると、どうしてもその場所に目が向きます。
もちろん、痛みのある場所を確認することは大切です。
でも、身体は一つにつながっています。
脚を支える骨盤。
骨盤につながる背中。
背中と腕をつなぐ肩甲骨。
それぞれが別々に働いているわけではありません。
だからこそ、身体を見るときには、
「どこが悪いのか」だけではなく、
「身体全体が、どう動いているのか」を見ることが大切だと思っています。
姿勢だけでは分からないこともある
今回のように、立っている姿勢では特に問題がなくても、身体を動かしたときに左右差が見えてくることがあります。
静止した姿勢は、その瞬間の身体の状態。
そこに「動き」を加えると、身体の使い方が見えてくる。
私は、ボディワークのレッスンで身体を見るとき、この「動いたときにどうなるか」というところも大切にしています。
慢性的に脚の違和感やトラブルを抱えている場合も、
「脚だから脚だけ」
と考えず、一度身体全体の動きを見てみる。
そうすると、今までとは違うところに、身体を見直すヒントが見つかることがあります。
MBCスクール
主宰 武内美紀
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