「眠れないんです」
メディカルアロマの相談を受けていると、こうしたご相談は少なくありません。
私のところでは、特に60代、70代、80代の方からのご相談が多く、ときどき40代の方からもあります。
でも。
同じ「眠れない」という言葉でも、お話を伺っていくと、その背景はかなり違います。
年齢とともに眠りが変わってきた方。
仕事で気を使うことが多く、緊張やストレスが続いている方。
生活リズムが変わった方。
身体の不調を抱えている方。
「眠れない」という症状だけを見ていては、その人に合ったケアは考えにくいのです。
「眠れない」から、同じものを使うわけではありません
メディカルアロマには、目的に合わせてさまざまなレシピがあります。
例えば、年齢とともに睡眠のリズムが変わってきた方には、私は「安眠サポートジェル」を考えることがあります。
一方で、気を使う仕事が続いていて、ストレスや緊張が強いと感じる方には、「自律神経サポートジェル」を考えることもあります。
ただし、
「70代だから安眠サポート」
「40代だから自律神経サポート」
という単純なものではありません。
その方がどんな生活をしているのか。
いつ頃から眠れなくなったのか。
寝つきが悪いのか、夜中に目が覚めるのか、朝早く目が覚めるのか。
最近、生活に何か変化がなかったか。
そうしたことを伺っていくと、「眠れない」という一言だけでは分からなかったことが見えてくることがあります。
だから、レシピや精油を選ぶ前に、まずお話を聞く。
私が大切にしているのは、そこです。
不眠の背景を知るために必要なこと
「不眠」といっても、原因は一つではありません。
ストレスや心配事など精神的な緊張が関係していることもあれば、生活リズムや活動量、睡眠環境が関係していることもあります。
年齢による睡眠の変化や、痛み、かゆみ、夜間頻尿など、身体的な要因が関係している場合もあります。
病気や服用している薬が影響していることもあります。
また、睡眠時無呼吸症候群など、単純な不眠とは別の睡眠の問題が隠れていることもあります。
だからこそ、メディカルアロマでセルフケアを考えるときも、精油の知識だけでは十分ではないと感じることがあります。
「この精油を使えば眠れる」という考え方ではなく、
「この方の場合、何が睡眠に影響しているのだろう?」
と考えるための知識が必要なのです。
精油以外の知識も、実際の相談では役に立つ
私は医療従事者ではありません。
病気を診断したり、薬の代わりになるものを選んだりすることはできません。
だからこそ、病気やお薬についての基本的な知識を持っておくことは大切だと思っています。
医療従事者と同じレベルの専門知識が必要ということではありません。
セルフケアでできることと、医療機関に相談した方がよいことを区別するための知識です。
そして、私の場合は、メディカルアロマだけではなく、ボディワークを通して身体の動きや姿勢、運動についても学んできました。
そのため、相談を受けたときには
「最近、身体を動かしているかな」
「日中の活動量はどうかな」
「身体に緊張が残っていないかな」
など、いろいろな角度から考えることがあります。
一つの知識だけで判断するのではなく、これまで学んできたことをつなぎ合わせながら、その方にとって今できることを考える。
私自身は、そんなふうに相談に向き合っています。
学んで終わりではなく、学び続けられること
メディカルアロマを学び始めた頃は、精油の特徴やレシピを覚えることに一生懸命でした。
でも、実際に人の相談を受けるようになると、
「この場合はどう考えたらいいのだろう?」
「もう少し詳しく知りたい」
と思う場面が出てきます。
そこで必要になるのが、学び続けられる環境です。
私自身、NPO日本メディカルアロマテラピー協会で、精油だけではなく、身体や病気、お薬についても学んできました。
現在はオンラインで学べる環境に加え、協会独自のAIシステムもあります。
必要なときに確認したり、調べたり、考える材料を増やしたりできることは、長く活動していくうえで、とても助けになっています。
一度学んだら終わりではなく、
学ぶ
↓
実際に相談を受ける
↓
分からないことが出てくる
↓
また学ぶ
そんな繰り返しが、少しずつ「考えて選ぶ力」につながっていくのだと思います。
「何を使うか」の前に、考えること
メディカルアロマというと、「この症状には、この精油」
というイメージを持つ方もいるかもしれません。
でも、私が相談を受けるときに大切にしているのは、その前の部分です。
その方の話を聞く。
生活背景を知る。
身体の状態を考える。
必要な知識を確認する。
そして、その方に今できるセルフケアは何なのかを考える。
その結果として、使うレシピや精油が決まっていきます。
「眠れない」という一言の中にも、その人の生活や身体、気持ちが詰まっています。
だから私は、眠れない方から相談を受けたとき、「不眠だから、このレシピ」と決めるのではなく、
「この方は、なぜ眠れなくなっているのだろう?」
と考えることから始めたいと思っています。
メディカルアロマを学ぶということは、精油を覚えることだけではなく、人の身体を知り、その人の話を聞き、その人に合わせて考える力を身につけていくこと。
これまで相談を受けてきた経験から、私はそんなふうに感じています。
MBCスクール
主宰 武内美紀
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